先にリリースされたセンターピラーレスのクルマとは異なる手法を取る新型『ラウム』だが、側面衝突時の安全性はどのようにして確保しているのだろうか。
第2開発センターでラウムのボディ設計を担当している大塚晋グループ長は「従来のドアと比較した場合、ロックする位置を増やしています。これによって『セルシオ』級の大型車が側面に衝突した場合でも車室内への侵入を防げるようになりました」と説明する。
通常のクルマとは違い、助手席ドアは上下の2カ所で、後部スライドドアは前後の2カ所でロックされる。スライドドアの前部は助手席ドア中央部のロック機構にガッチリと合わさり、通常のクルマのセンターピラーと同じような効果を発している。
面白いのが屋根から伝わる雨水を排出する機構だ。ドアパッキンの一部に微細な穴を設けてあり、ここを伝わって水滴が下方に落ちるようになっている。ピラーがあるクルマであれば、ピラーとドアパッキンの隙間を流れていくように設計されているが、ラウムにはそれが無いために水の流出経路を設けた。こうすることで車室内に雨水が侵入することもなく、快適に過ごせるという。