時間は短くとも、毎日しているなら悪質---少女の名誉は回復されるか

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路上駐車したトラックを避けようと自転車で車道に出た小学生が荷役中のフォークリフトにはねられて死亡した事故について、さいたま検察審査会は車庫法違反容疑で書類送検されたが、起訴猶予(不起訴)となったトラック運転手の処分を「不当」と議決したことを明らかにした。

この事故は2001年9月12日に埼玉県川口市内の市道で発生している。当時8歳の小学生が自転車で市道を走っていたところ、道路のほぼ半分を塞いだ状態で路上駐車していたトラックを避けるために車道側へ出たところ、荷役のためにトラックの真横を走ってきたフォークリフトと正面衝突し、死亡したというもの。

警察ではフォークリフトの運転手を業務上過失致死容疑で、路上駐車していたトラックの運転手を車庫法違反でそれぞれ逮捕した。

が、さいたま地検はフォークリフトの運転手に対しては「トラックの陰から自転車が飛び出してくるというのは予測不可能」として、またトラックの運転手に対しては「路上に駐車していた時間は3時間30分と短く、車庫法違反での起訴には無理がある」として双方を不起訴処分にした。

その上で、「事故の責任は前方の安全確認を怠った女児側にある」と結論づけた。この決定に女児の遺族は激怒。2002年1月にフォークリフトの運転手を、8月にトラックの運転手をそれぞれ「不起訴不当」として検察審査会へ再審査を求めていた。

検察審査会ではフォークリフトの運転手に対しては「被害者が突如進路変更するのを予想して減速や徐行義務を尽くすべきだと要求するのは酷である」として不起訴を指示した。

いっぽうトラックの運転手に対しては「事故当日の駐車時間は短いが、日常的に路上駐車を繰り返していたという事実から判断すれば、これは悪質だとしか言えない。事故を誘発したのが路上駐車されていたトラックであることも間違いない」として、不起訴不当の議決を行い、さいたま地検に再捜査を求めた。

この事故では被害者が死亡しているため、当事者が保身を図るために証言を変えているのではないかという指摘もあったが、再捜査の内容によっては被害者の名誉が回復されるという余地も出てきた。

《石田真一》

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