GMは6月頭から、アメリカ国内で大キャンペーンを展開するが、その内容はなんと「少なくとも過去20年間、GMのクオリティは決して高くなかった」と自らの過去を清算する、というもの。
特に輸入車のオーナー、女性、消費者団体などに向けて、過去のあやまちを認めクオリティの向上に勤めるGMの現在をアピールするものだという。また、国会議員や政府役人などに向けて、クオリティ向上や環境への配慮、安全性確保のプロセスを知らせるキャンペーンも合わせて行う。
このようなキャンペーンが行われる背景には、GMがシンクタンクに依頼して行った消費者の購買意欲調査の結果がある。アメリカ国内で、40から50%の消費者が「GMを選ばない」と回答、うち20%は「車を購入する際、GMのことは頭から除外する」と答えたのだ。また、クルマ1台あたり3700ドル(約44万円)、という大型のインセンティブを行っているにもかかわらず、GMの5月の販売は減少している。
過去に多くのレモンカー(リコールにまでは発展しなくてもメーカーが無償で部品交換に応じたりする)を輩出してきたGMだが、ここまで消費者の信頼を失っていたことにはショックを隠せなかったようで、今回の「過去のクオリティに関しては反省している。今後は消費者に信頼されるクルマ作りを行う」という、自動車メーカーとしては異例の広告キャンペーンとなった。
正直に自らのあやまちを認める謙虚なキャンペーン、果たして成功する?