最低限必要な安全確保を怠った---オートマチック車暴走で有罪判決

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オートマチック車のセレクターレバーを「Dレンジ」に入れたままで放置されたクルマが駐車場内で暴走し、79歳の女性をはねて死亡させたことで、業務上過失致死罪に問われた55歳の女に対する判決公判が9日、秋田地裁能代支部で行われた。裁判所は女の過失を認め、禁固1年6カ月(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。

問題の事故は昨年12月11日に発生している。秋田県八竜町内のショッピングセンター駐車場に止まっていた軽自動車が無人のまま突然動き出し、前方を歩いていた79歳の女性に衝突した。女性は衝突の弾みで転倒し、クルマが女性の上に前輪を乗り上げた状態で停止。事故を目撃した人が数人がかりでクルマを持ち上げて女性を助け出したが、女性は翌日に死亡している。

このクルマを運転していたのは55歳の女だが、オートマチックシフトのセレクターレバーをDレンジに入れたまま、エンジンをかけっぱなしにし、さらにはサイドブレーキも使用していない状態でクルマを離れていた。

女は取り調べの際、「Dレンジのままでも普段はアクセルを踏むまで動かない」と供述。警察で車両の検証を行ったところ、容疑車両はトルクコンバータが劣化しており、Dレンジに入れっ放しの状態でも、通常はクリープしないことが確認された。

事故の際にはエアコンの作動で一時的にエンジンの回転が上昇し、車内に人が乗っているなどの負荷が掛かっていない状態だったためにクルマが動き出したらしい。警察では「停車時における最低限の安全確保(エンジンの停止)を怠ったことが事故に結びついた」としていた。

9日の判決公判で秋田地裁能代支部の長倉哲夫裁判官は「被告がオートマチック車を駐車する際に必要な最低限の安全確保措置を怠ったことが事故に結びついた」と断定した。しかし、女性が事故の発生を反省しており、補償も行われていること。そして再発性が少ないということから執行猶予付きの禁固刑を言い渡している。

《石田真一》

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