言い逃れは固有の性格。71歳のひき逃げ犯に断罪

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昨年7月、岩手県盛岡市内の市道で小学生2人をクルマではねて死傷させ、そのまま逃走していたことで業務上過失致死傷と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われた71歳の男に対する判決公判が1日、盛岡地裁で開かれた。裁判官は「高齢ではあるが実刑は免れない」として懲役2年6カ月の判決を言い渡している。

この事故は昨年7月25日の午前11時15分ごろに発生している。小学校1年の男児と同2年の女児が盛岡市下米内1丁目の市道に設置された歩道を歩いていたところ、前方から走ってきたクルマが突然歩道へと侵入し、2人をはねた。クルマはそのまま現場から逃走、被害者のうち小学2年生の女児が収容先の病院で死亡。1年生の男児が足の骨を折る重傷を負った。

警察は悪質なひき逃げ事件として捜査を開始。目撃者の証言とよく似たクルマを盛岡市内の病院の駐車場で発見。近くにいた70歳(当時)の男に職務質問を行ったところ、「事故を起こしたかもしれない」と容疑を認める供述を行ったため、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕し、後に同罪で起訴された。

現場は緩い左カーブだが、男のクルマはカーブを直進する形で走り、右側の歩道を歩いていた2人を直撃した。男は取り調べの際には「車内の虫をタオルでたたき落とすことに気を取られ、歩道に突っ込んだ」と供述していた。

公判でもこれを認めたが、逃走した理由について弁護側は「本人は老人性痴呆の症状が出ており、事故を起こしたという認識が希薄であり、意図して逃走したものではない」と主張。さらには「高齢ということもあり、被告として服役させるよりは入院治療で罪の判断力を付けさせるべきだ」とも訴え、裁判所に情状酌量を求めていた。

1日の判決公判で盛岡地裁の村瀬賢裕裁判官は被告が以前、別の物損事故を起こしたときにも痴呆を言い逃れの手段としていたことを指摘。「現場から逃走したのは痴呆症による認識困難によるものだけとは考えにくく、本人固有の性格の問題ではないか」と弁護側の主張を退けた。

そして「突然命を奪われる、また重傷を負った被害児童の無念さと恐怖は計り知れず、救護義務を怠り、そのまま走り去った行為は極めて悪質」と断罪。「高齢による判断力の低下や痴ほうの症状はたしかに認められるが、引き起こした事故の重大さを考えれば実刑は免れない」として懲役4年の求刑に対し、懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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