名鉄バスの無免許運転手を通常起訴

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名古屋地検岡崎支部は14日、名古屋鉄道・岡崎統括自動車営業所に所属する路線バスの運転手が無免許運転を行い、それを会社ぐるみで隠蔽しようとした事件で無免許運転を行った運転手ら5人を起訴したことを明らかにした。社会的な影響を考慮し、略式で済まさずに正式裁判で全容解明を行うという。

今回起訴されたのは無免許運転を行った37歳の運転手(道路交通法違反)、身代わり出頭した37歳の運転手、この運転手に身代わりを命じた55歳の元総務主任、50歳の元運行主任、57歳の元営業主任(いずれも犯人隠避)の5人。

一連の問題は今年2月19日の夜に発生した物損事故から始まった。愛知県岡崎市内の市道で名鉄バスの運転手が乗務していた路線バスに、後方から走ってきた軽自動車が追突するという事故が起きた。バスは事故に気がつかずそのまま現場から走り去ったが、当事者が警察に届けたことから、岡崎署は「バスの運転手から事情を聞きたい」と営業所に打診した。

この段階で乗務していた運転手が1年4カ月間も無免許運転だったことが発覚。会社側は事態の発覚を恐れ、別の運転手を替え玉にして警察への応対に当たらせていた。元総務主任、元運行主任、元営業主任の3人は現場段階での隠蔽工作を主導したとされており、この3人が関与したことで、「不祥事の隠蔽が営業所ぐるみであることを証明できる」と検察側は判断したようだ。

検察では「隠蔽工作が営業所レベルに留まらず、会社上層部の指示だった」ということを証明するため関係者の聴取を進めており、今後は法人としての名古屋鉄道を立件する方向で捜査が進められるものとみられる。

営業所の幹部3人はこれまでの調べで「隠蔽は名鉄の社会的地位を守るためだった」と容疑をほぼ認めている。個々の容疑は軽微であるため、通常であれば略式起訴で済まされるような案件だが、検察では「社会的な影響と再発防止を考慮し、正式裁判でさらなる事実解明を進めたい」と判断。5人の通常起訴に踏み切ったとコメントしている。

《石田真一》

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