バイクを貸すときには免許の有無をチェック

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友人が無免許であることを知りながらバイクを貸していたとして、道路交通法違反(無免許運転幇助)の非行事実で家裁送致された当時19歳の少年に対し、神戸家裁は14日までに非行事実なしと判断。刑事裁判の無罪に当たる不処分の決定を下した。

これは昨年9月に兵庫県神戸市北区で起きた少年によるバイクの無免許運転が発端となっている。

バイクを無免許運転したとして警察に検挙された少年は、検挙当時に乗っていたバイクを「友人から借りた。友人は自分が無免許だと知っていてバイクを貸したと思う」と主張。警察はこの証言を受け、バイクを貸した当時19歳の少年を道交法違反(無免許運転幇助)で検挙した。

警察の取り調べに対し、この少年は「友人がバイクを乗り回しているところは何度も見ており、免許を持っていると思った。彼が無免許だったとは全く知らなかった」と強固に主張した。

しかし、警察では「友人が無免許であることを知りながら少年はバイクを貸すことを躊躇せず、結果として無免許運転を幇助した」と判断。地検もこれを支持する形で「刑事処分相当」と判断し、家裁送致していた。

しかし、神戸家裁では「無免許であることがわからなかった」とする少年の主張にこそ整合性があり、最終的には無免許幇助を大筋で認めたという少年の自白調書は信用できないと、警察の調書に証拠能力が無いと断定した。

その上で裁判官は「少年が友人にバイクを貸す際には免許証の提示を求めていたわけではなく、友人も免許を持っていない旨を少年には話していない。このため“友人が免許を持っていない”と少年が推認することは非常に困難である」とも認め、警察と検察が主張してきた無免許運転幇助は成立しないと判断。少年の非行事実は無かったとして、刑事裁判の無罪に当たる不処分の決定を下した。

今回の案件は警察が状況証拠のみで押し切ったところが多々見られ、本来はブレーキ役となるはずの検察も刑事処分相当とするなど、その決定プロセスには不可解な点が数多い。家裁が少年の主張を受け入れて不処分の決定を下したことは評価に値するが、こうした無茶が押し通されてしまうところに少年事件の難しさがある。

《石田真一》

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