三重交通は19日、同社が運行している近鉄四日市駅〜名古屋空港間の空港連絡用路線バスが、渋滞を回避する目的で国土交通省・中部運輸局から認可されていないコースを走っていたことを明らかにした。同社では迂回コースについても認可を求める方向で検討を始めたが、運輸局では何らかの指導を行う方針だという。
中部運輸局では路線バス運転手の無免許乗務を発端とする特別監査を名古屋鉄道に対して実施したが、この課程で同社と豊橋鉄道バスがが運行する空港連絡用の路線バスが正規のルートを外れ、認可対象外のインターチェンジを利用していたことも明らかになった。
このため同局では同様の空港連絡バスを運行する各事業者に対し、認可ルート外走行の有無について調査を命令。その結果、三重交通バスが渋滞発生時に認可外ルートを走行していたことを同局に報告。事態が明らかになった。
三重交通によると、認可ルートの国道41号線で工事渋滞が発生した際、特に空港行きの定時運行が困難になったと判明した場合、運転手が所属営業所に道路状況などを報告。運行管理者が迂回の指示をその都度行っていたという。
同社では「飛行機を利用することを前提に利用する空港行きバスの場合、遅れが生じることは乗客に多大な迷惑を掛けるため、乗客サービスを優先して積極的に迂回を行っていたようだ」と釈明している。
迂回ルートをいくつか設定し、それを含めて路線認可を得るということは珍しくないが、通常は運行するまで渋滞発生地点の有無などがわかり辛く、特に今回の場合は道路工事を起因とする渋滞のために発生が流動的で、現場レベルでは「迂回ルートの申請をするまでのことではない」と判断していたようだ。
同社は運行を担当する営業所の運行管理者に対して、認可ルートの徹底をさせるとともに、渋滞発生時には乗客に混雑状況を前もって知らせるなどの告知を徹底。さらには迂回ルートの使用申請準備を含めて運輸局側に事態を伝えるとしている。
これに対し、中部運輸局は何らかの指導や処分を行うとみられており、今後の成り行きが注目される。