自殺の名所から5台のクルマが次々と…

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香川県警は6日、失踪人捜索を行っていた坂出市林田町にある貨物船専用埠頭(林田港)の海底に沈んでいたクルマ5台を発見し、引き上げたことを明らかにした。クルマにはそれぞれ一体ずつの遺体が確認されたが、すでに白骨化していた。

香川県警・坂出署によると、今回の捜索が行われるきっかけとなったのは、今年7月に同署に出された失踪した男性の捜索願だという。この男性は自宅に書き残した遺書めいた手紙に「これから林田に行く」と書き残していた。

林田港は県内で「自殺のメッカ」とも噂されていることから、女性は警察への捜索願を出すのと並行して民間のダイバーにも港付近の捜索を依頼。今月4日、ダイバーはこの依頼を受ける形で海底の捜索を行ったが、この際に少なくとも数台のクルマが沈んでいることを確認。慌ててその事実を警察に通報した。

警察では海上保安庁とも連絡を取り合い、6日の午前から海底に沈んでいる車両の捜索と引き揚げを開始。午前9時45分までにバース付近(水深12m)で3台、岸壁付近(水深4m)で2台が沈んでいることが確認された。引き揚げは1台ずつ行われたが、それぞれのクルマは沈んだ時期が違い、最も古いクルマでは数年前、新しいクルマで数カ月前に沈んだものとみられている。

発見された5台のクルマはいずれも香川ナンバーで、内訳は乗用車3台、軽自動車1台、軽ワゴン車1台となっている。それぞれのクルマに1人ずつが乗っていたとみられ、車内からは白骨化した遺体が発見されている。車内に残された所持品には免許証もあり、被害者は県内に住む48〜81歳の男性ではないかとして身元の確認を急ぐ。

なお、このうち3人については、1994年から今年にかけ、それぞれ別の時期に家出人捜索願が出されていたことを警察では確認しており、事故と自殺の両面から調べを進めている。

現場は瀬戸内海に面した貨物専用の埠頭。荷役を行いやすくするため、海側にはガードレールのようなものは設置されていない。付近の道路からはバースまで直線で入ってこれるため、スピードを上げた状態でクルマごと海に飛び込む自殺が数年前から目立ち、付近では「自殺のメッカ」として有名だった。

また、週末の深夜にはドリフト族の若者が集まり、高速度で走り回っていることも警察では確認しており、過去にこうしたクルマが運転を誤って港内に転落するという事故も起きている。

今回の捜索のきっかけとなった失踪人のクルマは6日の捜索では見つかっていないことから、警察では引き続き周囲の捜索などを行っていくとしている。

《石田真一》

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