ホンダは、中国の大手メーカーである東風汽車と合弁会社「東風本田汽車(武漢)」を湖北省武漢市に設立することで合意した。2004年前半から『CR-V』を年3万台規模で生産する。これにより、ホンダの中国生産能力は同年後半には年32万台に拡大、日本メーカーでは最大となり、急成長する中国市場で他社を一歩リードする。
新合弁会社は、東風傘下の「武漢万通汽車」の株式50%をホンダが引き受けて設立した。約4400万ドル(約53億円)を投じて、武漢万通の設備の改修・増強を図る。生産立上げ時の従業員は約600人となる。ホンダは現在、『アコード』などを生産する広州本田が年12万台の能力を有しているが、来春には24万台に拡大させる。また来年後半からは輸出専門の本田汽車(中国)が年5万台のペースで生産を始め、合計の能力は年32万台となる。
日本メーカーではトヨタが07年までに年30万台規模に能力を拡大するほか、東風と全面提携している日産自動車は、06年には55万台までに引き上げる計画。各社の能力増のピッチが上がるなか、ホンダは「将来は過剰能力になる恐れもある」(宗国旨英会長)と警戒もしており、先手を打ちながら、今後は市場動向を慎重に見極めて行く方針だ。