酩酊での運転は殺人---懲役10年を求刑

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泥酔状態でクルマを運転して18歳の女性をはね、ボンネットの上に被害者を乗せたまま走行。路面に落ちた女性をさらに引きずって死亡させたとして危険運転致死と道路交通法違反の罪に問われた26歳の男に対する論告求刑公判が3日、さいたま地裁で開かれた。検察側は「殺人に匹敵する行為」として懲役10年の実刑判決を裁判所に求めている。

論告によると、この事件は今年の7月12日未明に発生している。同日の午前1時40分ごろ、埼玉県久喜市中央3丁目付近の市道交差点で、泥酔状態で蛇行を繰り返すように走っていたクルマが減速しないまま進入、自転車で帰宅途中の18歳女性をはねた。

女性は転倒した際に事故を起こしたクルマのボンネットに倒れこむ形となったが、クルマは女性をボンネットに乗せたままの状態でなおも蛇行運転を続け、そのまま180mあまりを走った。

その後、急ブレーキを掛けたことで女性は前方に転落したが、クルマは女性を踏み潰すように再発進。底部と路面の間に女性を挟みこんだまま、さらに走り続けた。

男は事故を目撃した人の通報によって駆けつけた警察官に業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕され、女性は病院に収容されたが間もなく死亡した。

男は当時泥酔状態で、酩酊して事故を起こしたという認識すら無かった。さらにこの男がこれまでにも悪質な酒酔い運転での摘発歴があつたことが判明。警察では事故形態が非常に悪質であることから危険運転致死容疑に切り替えて送検。検察もこれを支持して同罪で起訴した。

3日に行われた論告求刑公判で、検察側は「数度の酒酔い運転を繰り返すなど常習性があることは間違いない」とし、事故の悲惨さに改めて触れた。「事故当日も酩酊状態であるにも関わらずクルマの運転を強行し、事故を起こしても停止せず、さらには被害者を下敷きにしたまま走り続けて致命傷を与えた」

「その行為は殺人にも匹敵する。極めて危険であり、かつ悪質な犯行だ」と強調。裁判所に懲役10年の実刑判決を求めた。

《石田真一》

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