ネットで遺族を中傷…加害者に懲役2年を求刑

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死亡交通事故の加害者となった28歳の男が、補償交渉中の遺族に腹を立て、インターネット上の掲示板にこの遺族を誹謗中傷したとして名誉毀損の罪に問われていた裁判で、検察側は11日、大阪地裁で開かれた論告求刑公判で裁判所に対し、この男に懲役2年の実刑を求刑した。

起訴状などによると、この男は2000年4月21日深夜、自分が所有するクルマで大阪府泉佐野市内の市道を走行中、80km/h(制限速度は40km/h)のスピードでカーブを逸脱。対向車線側のガソリンスタンド横に止まっていた17歳少年が運転する原付バイクに激突した。

少年は病院に搬送されたが、事故から2日目に死亡。男は業務上過失致死と道路交通法違反(速度超過)容疑などで逮捕・起訴された。

男は業務上過失致死と道路交通法違反事件の論告で懲役2年の求刑を受けた直後の2001年7月、インターネット上の掲示板に被害者遺族の実名を挙げ、「うそでうそを塗り固める」など、遺族側が行った警察への証言を非難したと受け取れる内容の書き込みを匿名で行った。

これを被害者の友人が偶然にも発見。遺族は警察に名誉毀損の告訴状を提出。男はこれが元となり、今年3月に名誉毀損容疑で書類送検されていた。

11日に開かれた第二回の公判で、検察側は「事故を起こした自分の責任を棚上げし、証言を行った遺族を一方的に悪いとして中傷を行うなど、もはや自力更生を期待できるレベルは超えており、これを望めない」として、裁判所に対して懲役2年の実刑判決を求めた。

交通事故での公判では執行猶予5年が付いた判決を受けており、今回は実刑を免れることができない可能性が高い。

無法地帯と言われるインターネット上の掲示板だが、ここ最近は公判終了後に被告が原告側の誹謗中傷を行う例が頻発しており、ひとつの社会問題と化している。今回は起訴までこぎつけた稀なケースだが、それだけに司法がどのような判断を下すのが注目される。

《石田真一》

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