過失は運転手にあらず---慰謝料請求を棄却

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1997年、福岡県大牟田市で歩行中の小学生が大型トレーラーにひかれ、後遺障害を負ったとして総額約9700万円余りの慰謝料支払いを求め、トレーラーの運転手や運送会社に対して損害賠償の支払いを求めていた民事訴訟で、福岡高裁は16日、原告逆転敗訴となる判決を言い渡した。

事故の責任は飛び出した小学生側にあり、トレーラー側には無いという異例の判決となった。

判決によると、問題の事故は1997年3月に大牟田市内で発生している。大牟田市田隈付近の県道で歩道を歩いていた当時小学校3年生の男児が車道側に倒れ込み、通過中の大型トレーラーにひかれた。男児はトレーラーの後輪に頭をひかれるなどして脳挫傷となる重傷を負い、現在も後遺障害が残るとしている。

男児側は「歩行していた際に通過したトレーラーが巻き起こした風圧によって車道に引き込まれた可能性が高い」と主張。事故発生は運転手の安全確認ミスであり、男児側の責任は無かったとして、トレーラーの運転手と車両を所有する運送会社に対して慰謝料や逸失利益など総額約9700万円を求める民事訴訟を起こしていた。

一審の福岡地裁大牟田支部では、トレーラーが男児の横を通過した際の速度を30〜40km/hだったと認定。突発的に発生した風圧によって男児が意図しないまま車道側に引き込まれたと認定し、約5900万円の部分については支払いの整合性を認めた。

しかし、運送会社側は「当時トレーラーは23km/hしか出ておらず、風圧が生じていた可能性は低い」と強固に主張。事故の原因は歩道でふざけていた男児にあるとして福岡高裁に控訴していた。

16日の判決で福岡高裁の小林克巳裁判長は運送会社側の主張を全面的に認めるとともに、事故の原因については「風圧によって車道側に引き込まれたのではなく、男児がトレーラー部分を見落とすか、歩道の縁から落下するなどして車道側へ進入した可能性が高い」とした。

また、運転手の「子供を見かけたから徐行していた」という証言の信憑性も認め、運転手の過失は免責されるとも判断。事故の原因は男児にあり、運送会社と運転手に責任は無いとして一審判決を破棄、男児側の請求を棄却する判決を言い渡した。

《石田真一》

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