警察庁が違法駐車の抜本策を検討し始めた背景には、違法駐車問題の深刻化、社会の治安悪化という2つの側面がある。都市部では時間制パーキングなどの設置が進むなど、駐車場の収容台数が増えているにも関わらず、一向に違反が減らない。
例えば警視庁に寄せられる110番通報も駐車違反関係が増えており、平成14年(2002年)は22万7000件と、3年前より4割も増え、カギ付きのステッカーを切断するなど悪質な事例も後を絶たない。
一方、ひき逃げ事件の検挙率は3年前の52.7%から昨年度は26.9%にまで低下しており、警察としては、違反者の特定など手間のかかる駐車違反より、死亡ひき逃げや暴走族など悪質な交通犯罪に力を入れたいところ。民間委託は、こんな背景から検討されてきたのだ。