福島県警は29日、県警本部・捜査一課に所属していた38歳の警部補が捜査中に立ち寄った店でカー用品を万引きした問題で、この警部補を同日までに窃盗容疑で書類送検したこと、同日付けで停職4カ月の懲戒処分を科したことを明らかにした。これに先立ち警部補は退職願を提出しており、県警本部はこれを受理している。
福島県警・郡山署の調べによると、問題の事件は今月23日に発生している。事件捜査のために郡山市を訪れていた県警本部・捜査一課に所属する38歳の警部補が同市内のホームセンターへ昼休み中に立ち寄り、店内の陳列棚に置かれていたカー用品(ルーフキャリア)の包装を勝手に開き、取り付け金具などの部品など十数点を盗んだ疑いが持たれている。
警部補は代金を払わずに店を出て、駐車場に止めた捜査車両に戻るまでの間に店の警備員に呼び止められ、窃盗の現行犯で取り押さえられた。警部補は当初、警察官であることを名乗っていなかったが、通報を受けて駆けつけた郡山署員に対して、自分が警察官であることを告白した。
取り調べに対し、この警部補は「盗んだ品は自分で使うつもりだった。大変なことをしてしまった」と供述。過去にも同様の窃盗事件を起こしていないかどうかの調査もなされたが、確認できないため初犯とみなされた。
だが、県警では現職警官が捜査中に起こした事件であることを重要視し、警部補を窃盗容疑で福島地検郡山支部に書類送検するとともに、停職4カ月の停職処分も命じた。しかし、警部補は処分決定前に退職願を提出。手続き上では処分決定直前にこれが受理され、依願退職が認められている。