『アベンシス』開発時の合言葉は、「欧州車を越える、トヨタの欧州車」。そもそもアベンシスは、ヨーロッパをターゲットに、ヨーロッパトヨタで現地スタッフと日本人スタッフが共同で開発し、トヨタのイギリス工場で生産される生粋のヨーロッパ車だ。部品の現地調達率も80%を超えているという。
チーフエンジニア福里健氏は「ヨーロッパでは100年を超える自動車の歴史があり、速度無制限のアウトバーンから、ワインディングロードまでたくさんの道と、多くの使われ方がある。そういった環境で育ったヨーロッパ車は大変な実力・パフォーマンスを秘めています。そんな強力なライバルを超えることを目指して開発しました」と、開発の意気込みを語る。
そして、ヨーロッパでも通用し、ライバルを超えるために、トヨタが具体的に考えた要素は「気品あるスタイル」、「先進パッケージングによる広い室内とトランク」、「高い操縦性・走行安定性」、「優れた静粛性」、「優れたブレーキ性能」、「卓越した安全性能」の6項目。
アベンシスは、それら6つの項目をトヨタ流に解釈したうえで、高い目標を設定しクリアしているという。
トヨタがここまで「ヨーロッパ」にこだわったクルマを開発する背景には、ヨーロッパでのシェアを何としても伸ばしたいという願いと同時に、「ヨーロッパ車信仰」の強い日本市場で、ヨーロッパ車オーナー&オーナー予備軍をトヨタに振り向かせたい、という意図が見えてきそうだ。