トラック業界は以前から、普通免許で運転できる車両の総重量(GVW)の上限を10トンに緩和するよう要望していた。中型免許は、自民党のトラック議員連盟も実現を働きかけており、トラック業界にとっては“既定路線”と言える。
警察庁は新制度移行への経過措置として「すでに普通免許を持っているドライバーは8トン未満のトラックを運転できる(新たに普通免許を取得した人は5トン未満)」、「すでに普通免許を持っているドライバーが中間免許を取得する場合は実技試験だけとする」---などを検討中。このため、すでに普通免許を持つドライバーは簡単な試験だけで11トン車まで運転できることになり、トラックの大型化が進む、という読みだ。
一方の警察庁にとっても、少子化で入校者が減る一方の教習所に新たな“飯のタネ”を提供することになり、地元警察署などの天下り先を確保できる。政官業の利害が一致し、めでたく中型免許の誕生となったわけだ。しかし、トラック業界には、さらなる“野望”がある。