やらせ暴走のレポーター、道交法では起訴猶予に

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ワイドショーの題材として取り上げることを目的に、京都市内の繁華街に集まるギンギン族と呼ばれる改造車集団に暴走を依頼し、道路交通法違反(暴走行為幇助)容疑に問われていたフリーランスのレポーターと、実際に暴走を行っていたギンギン族のメンバー2人の合計3人に対し、京都地検は12日までに起訴猶予処分としていたことが明らかになった。

この問題は昨年11月4日、テレビ朝日系で放映されたワイドショー『スーパーモーニング』での1シーンが発端となっている。

同番組では「古都騒然! 京都を騒がすギンギン族の実態」と称し、京都市内の中心部に集まる「ギンギン族」と呼ばれる改造車集団が狭い道路を占拠するような形で路上駐車を行なって大音量で音楽を流すだけではなく、京都市内で信号無視などの交通違反行為を繰り返しているなどの内容が放映された。

しかし、たまたまこの番組を見ていた京都府警の警察官が「ギンギン族の連中は1カ所に留まり、自慢の改造車から大音量で音楽を流す行為で自己顕示欲を満たす集団。暴走を行うとは聞いたことも見たこともない」と疑問に感じ、録画したビデオを交通課員に渡し、クルマから人物の特定を行うように依頼。

この結果、番組を盛り上げる目的で、担当したフリーランスのレポーターがギンギン族を取り仕切る男に暴走を依頼していたことがわかった。レポーターは撮影の際、この男に対して携帯電話で「次の信号を無視して」などと具体的な指示を行っており、道交法違反(暴走行為幇助)容疑で書類送検されていた。

京都地検では独自の捜査を続けてきたが、以後このレポーターが同局からの仕事の発注を絶たれていることや、事態が報道されたことで社会的な制裁を充分に受けていると判断。携帯電話での暴走指示については「あくまでも“やってくれ”と頼んだだけであり、それを強要したわけではなかった」とも認め、暴走を行った2人も含めて起訴猶予処分とした。

《石田真一》

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