シンクタンクの富士キメラ総研は、「2003年版ITS関連市場の現状と将来展望」をまとめて、発表した。クルマの第三の目、CCDカメラが2007年には90億円市場になると予測した。
調査は、テレマティクスサービス及びITS関連機器、システム、デバイスや市場規模推移、マーケットシェア、開発動向などを調べた。7〜10月にかけて専門調査員が対象企業と関連業界に対する面接調査を中心に、関連文献、データベース分析を加えて行った。
調査の結果、02年のITS市場は1兆2310億円だが、ETC車載器の普及やミリ波レーダーの実用化が進み、2007年には2兆円を超える市場規模になると予測した。
テレマティクスサービスでは、1998年ごろに自動車メーカーがサービスに注力したが失敗、2002年ごろからトヨタ自動車のG-BOOKを代表するように第2世代のサービスが開始、一般ユーザーの認知が上がっている。今後は、緊急通報サービスや車両盗難防止サービスが普及すると見ている。
機器・システムでは、自動車のエレクトロニクス化が進み、車間距離感知システムや居眠り警報装置、タイヤ空気圧警報システムなどの安全装備が高級車だけでなく、一般にも広がると見ている。
デバイスでは、自動車の目の役割を果たすCCDカメラやミリ波レーダーに注目している。カメラは人の目の届かないところをカバーし、ミリ波レーダーは車間距離を測定する。
注目する市場は、CCD車載カメラで、自動車への搭載が進み、2002年に31億5000万円だった市場が2007年には90億円市場に成長すると予測している。また、車間距離感知システムについては2002年には2万5000台に搭載されているが、2007年には35万台に。ミリ波レーダーは2002年に200台だったのが、2007年には4万5000台以上の自動車に搭載されると予測している。