銃撃は行き過ぎ---警察官を容疑者遺族が告発

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今年9月、奈良県大和郡山市で警察車両の包囲をクルマで突破しようとした窃盗犯が2人が警察官に銃撃される事件が起きた。

銃弾2発を首に受けて死亡した男の遺族が「発砲は警察官職務執行法で定める武器の使用範囲を超えた状況で行われた」として、男に発砲した奈良県警の警察官3人と、発砲の許可を出した1人を殺人と特別公務員暴行陵虐容疑で奈良地検に告発した。

事件は今年9月10日に発生している。奈良県橿原市内で発生した自動車荒らしの容疑者を追跡していた県警・自動車警ら隊や機動捜査隊などの隊員が、大和郡山市内の国道24号線で容疑者の乗ったクルマの走行を阻止。複数の警察官で取り囲むなどして投降を呼びかけた。

ところが容疑者の乗ったクルマはエンジンをふかし、警官に向かって突進させるような素振りを見せたため、近くにいた3人の警官が拳銃を発砲。このうち3発が容疑者2人の首などにあたり、このうち助手席にいた28歳の男が後に死亡。運転席にいた26歳の男も重傷を負った。

後の調べで、3人の警官は発砲の際に拳銃を使用する予告もせず、威嚇発砲も行っていないことがわかった。さらには全8発のうち、5発については1人の警官が発砲していたことも判明している。

13日に奈良地検へ告発を行った遺族は告訴状で「2人が乗ったクルマはパトカーに囲まれて走行ができない状態になっており、エンジンの空ぶかしを警察官へ危険が及ぶ行為と判断したのは明らかな行き過ぎ」と指摘。

さらには「発砲は予告無しに行われており、差し迫った状況ではないことからも、今回の発砲が警察官職務執行法で定める武器の使用範囲を超えている可能性が高い」として、警官の発砲が違法だった可能性をも示唆した。

また、遺族側が銃弾摘出手術の医療記録について、公務執行妨害容疑の証拠物件として押収していることも合わせて明らかにした。どのような経緯で医療記録の押収を行ったのかはわかっておらず、遺族は押収許可の取り消しを求め、奈良地裁に準抗告を起こすしている。

《石田真一》

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