フォードは、昨年、英国ロンドンに開設したグローバル・デザインセンター“Ingeni”(インジェニ)を閉鎖する、と発表した。赤字の続くフォード欧州の経費削減の一環として閉鎖されるもので、同デザインセンターは、開設以来わずか18カ月で閉鎖に追い込まれた。
Ingeniは、欧州がITバブルに浮かれている時に、設立計画が浮上したもので、自動車産業以外からのデザイナーを集め、フォード車のデザインに新しいセンスを持ち込もうという狙いがあった。BMWのデザインワークス社と同じように、クルマ以外に、携帯電話や椅子や時計などもデザインさせる予定だった。
しかし、実際にIngeniがオープンしたのはITバブルがはじけた後の2002年で、今年初めに一車種のデザインを発表しただけで、閉鎖に追い込まれた。同デザインセンターで働いていた30人のデザイナーは、フォードの他のスタジオに移籍する。また同スタジオの建物の一部は、他社に賃貸される予定という。
同じようにロンドンにデザインセンターを設立した日産は、先日、新たにカラースタジオを新設したばかり。赤字の続くフォードとは対照的だ。