ダイハツ『タント』には、ディーラーオプションとしてG-BOOK対応のHDDナビ『NHDT-W53M』(富士通テン製)が設定されている。
ダイハツ車にG-BOOK対応ナビが装着されるのは、トヨタ『カムリ』のOEMモデルである『アルティス』に続いて2車種目となるが、軽自動車ラインナップでは初の設定。しかも、アルティスに設定されているG-BOOK対応ナビはDVDタイプであり、機能的にはタントに装着されるHDDナビの方が上回っている。
これについて部品部・用品開発室の佐々木真さんは「ダイハツ軽自動車初のテレマティクス対応ナビ装着車というアピールをしていますが、車両本体価格との兼ね合いを考えれば大きな数は出ないと思います」と、みずからはシビアな見方をしている。
「今回は全部で9機種の設定がございますし、装着するにしても低価格なナビを選択する方が実際には多いでしょう」
タントの想定ユーザーは20歳代後半から30歳代前半の主婦層で、比較的短距離、短時間の乗車になるのではないかとみている。
いわゆる“ご近所専用車”といった使い方が中心のクルマでは「ナビの必要性を感じない」という人が多い。34万3600円という高い価格のG-BOOK対応ナビを選ぶ人はごく少数に留まるだろう。
それではなぜ装着されにくい装備がオプション品としてラインナップされたのかといえば、これは対スズキ戦略以外の何物でもないだろう。スズキは『ワゴンR』にカーウイングス対応DVDナビを設定している。
ユーザーが装着する、しないは別として、テレマティクスナビを軽自動車にも設定しているという部分で「スズキに遅れを取るわけにはいかない」と判断した結果だろう。