車上荒らし犯の殺意証明に再現ビデオ

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2001年12月、兵庫県姫路市内で車上荒らしの現場を発見し、逃走を制止しようとした当時26歳の男性をクルマではね、死亡させたとして強盗殺人罪に問われた32歳の男に対する公判で、検察側が事件の再現ビデオを証拠として提出し、法廷で上映した。

男に殺意があったことを前提に作られたものだが、再現ビデオの証拠提出は極めて異例となる。

問題の事件は2001年12月14日に発生している。兵庫県姫路市内のファミリーレストラン駐車場で、交際中の女性のクルマを物色している男を当時26歳の男性が発見した。男性は犯行を行った男を追いかけたが、男は仲間の乗るワゴン車に乗り込んで走り去ろうとしたため、男性は駐車場の出口に立ちはだかるなどして一味の逃走を阻止しようとした。

ところがクルマは止まらず、男性をひいたまま現場から走り去った。男性は収容先の病院で死亡した。

男はこれまでの公判で「クルマを発進させれば男性は避けると思った。男性がそれを怠ったために事故が起きた」などと証言。殺意は無く、事故は偶発的に起きたものだという主張を繰り返している。

これに対して検察側は「被告はそのまま進行すれば男性にぶつかることを認識しながらクルマを進行させ、積極的な回避を怠った」と、男に殺意があったことを指摘している。

今回、第4回公判で提出された再現ビデオは警察の実況見分調書に基づいて検察側が作成したもの。事件の現場となったレストラン駐車場に同型車を持ち込み、検察官が被害者男性を演じている。発見から逃走まで、およそ2分間に起きたことをわかりやすくまとめているという。

映像では回避をしようとすれば可能だったことが証明されている。これが被告の殺意を示す証拠として認定されるかどうかは未知数だが、今後は別の裁判でも再現ビデオが採用される可能性に道筋を開いた。

《石田真一》

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