【特集:道路公団民営化】誰が勝ったのか、あなたはいくら払うのか

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■で、通行料は?

民営化委の最終答申で「民営化と同時に1割値下げ」が求められた通行料。今回の合意案でも「(首都高などの有料道路をのぞく)高速国道料金は、平均1割程度の引き下げに加え、別納割引廃止を踏まえたさらなる引き下げ。具体的には、マイレージ割引、夜間割引、通勤割引等を実施」と明記された。さらに「民営化後、新会社はこれらの引き下げられた料金水準を引き継ぎ、さらなる弾力料金設定に努力」と書かれている。

これの記述は“通行料は現行の1割引きを上限とし、将来も引き上げは許さない”ということを意味する。ただし、1割から先、どれくらいまで料金が下がるかは、ハッキリ言って期待しないほうが良さそうだ。

何しろ、通行料は今あるだけで約40兆円、約2000kmを全部作るとプラス7.5兆円もの巨額な借金を返す原資でもあるのだから。民営化委の松田昌士委員(JR東日本会長)は「JRの場合、これまでに消費税導入時の1度をのぞき、15年間値上げしていない」と“民営化効果”を強調するが、実は値下げもしていない。

もちろん、新会社が利用客(交通量)を増やすため、戦略的な大幅値下げに踏み切る可能性もゼロではない。ETCの普及で、時間帯や車種、乗り降り場所による細かな通行料設定も可能になりそうだ。

しかし、前述の「通行料には利潤を含めない」という制約で借金返済が義務づけられている収入だけに、時の経営者(総裁)が民間経営センスを持っているのであれば「金利が低いうちに…」と有利子負債の圧縮に動くだろう。例えて言うなら、今の携帯電話料金のように「明細をよく見れば確かに割引されているが、支払い実感としては結構重い」というところに落ち着くのではないだろうか。

また、新会社が関連ビジネスで稼ぐ、ということは、SA・PAでの駐車や休憩が有料になる可能性も否定できない。とくにトラック運転手にとっては心配のタネになりそうだ。

1/4■民営化形態は?
2/4■新たな道路の建設は?
3/4■で、通行料は?
4/4■結局は、得意の“先送り”

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《編集部》

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