【緊急小谷レポート】新道交法改正試案発表、その恐るべき中身とは!!(完結編)

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【緊急小谷レポート】新道交法改正試案発表、その恐るべき中身とは!!(完結編)
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■駐禁取締りの民間(OB)委託

駐車違反取締りの民間委託とは、具体的にどんな業務を指すのだろう。試案には次のようにある。

「警察署長は、放置車両がある事実を確認する事務を、公安委員会カが指定する法人に委託することができることとします。」

ここに「放置車両がある事実を確認する事務」に関する具体的な記述は見られないが、試案のさらに原案となった「違法駐車問題への対処の在り方についての提言」(違法駐車問題検討懇談会、座長/宇賀克也東大教授)によれば、取締りのイメージとして

「取締りの従事者は、デジタルカメラ等技術を活用して、駐車違反の事実の確認とその証拠化を行う。受託法人は、取締りの従事者が確認した事実をまとめ、証拠資料とともに警察に報告する。

これら報告等についてもIT技術を活用し事務の効率化を図る。

警察は、基本的に違反の成立・不成立、命令等の要否などの判断のみを行い、命令等に伴う書類の作成・整理、データ入力等の事務については、民間企業等に委託する。」としている。

 つまり取締り現場での現認のみを担当し、違反の成立・不成立等の判断は警察が担当。そして、そこから先の納付通知の作成やその送付などの事務処理は、再び民間が担当するというやこしいもの。

では、この「民間委託」によって、何がどう変化していくのだろうか。

「民間委託」というと、外部へ開かれ競争原理が働くことで、業務が合理化されるなど、「お役所仕事からの脱却」といったプラスイメージばかりが期待される。

しかし、交通組織における「民間委託」はどうだ。パーキングメータの管理業務、免停の短縮講習、あるいはレッカー移動業務などなど、「交通安全協会」という名の民間団体の利権を集中させてきた。「競争原理」や「業務の合理化」といった言葉にはほど遠く、利権確保が至上命令の「取締りのための取締り」や「取締りノルマ」を生む原因にもなってきた。

つまり民間委託といったところで、結局は警察OB団体や、警察が大きな影響を持つ組織が牛耳ることとなり、これまでの警察官による取締りと比べて、大した変化は期待できないだろう。
 
なにしろ試案で
「公安委員会の指定は、暴力団関係者が役員等となっていないこと、十分な経理的基礎を有することなど受託事務を公平公正に行うことができるものとして定められた条件に適合する限り行うこととします。」

「実際に現場で放置車両の確認に従事する者についても、資格制度を設け、暴力団関係者でないこと、正確な知識を有していることなど必要な資質と能力が備わっていることを担保することとします。」
 
と、しており、委託法人の指定であり、取締り従事者の資格といった「許認可権」を公安委員会≒警察がしっかりと握っているのである。

つまり強大な許認可権をタテとして、従来からの「民間委託」業務と同様に、新たなる警察ビジネスの展開を目論んでいるのは明白た。

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《小谷洋之》

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