事故が発端、スピード違反の常態化も発覚

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山口県警は17日、昨年8月に中国自動車道で発生した多重衝突事故に関連し、西日本鉄道バスが恒常的に速度超過違反を繰り返していたとして、法人としての同社と、同社の博多自動車営業所の所長兼総括運行管理者ら7人を道路交通法違反(速度超過下命・容認)容疑で書類送検した。

事故に巻き込まれたバスのタコグラフを調べていたところ、速度超過違反を継続して行っていたという事実が明らかになったという。

問題の事故は昨年8月11日の午後9時20分ごろに発生している。山口県小郡町上郷付近の中国自動車道上り線で、スリップして追越車線上に停止した乗用車に、大型トラック5台を含む11台のクルマが次々と衝突した。

事故には西日本鉄道バスが運行する福岡発新宿行きの夜行高速バス2台も巻き込まれ、運転手2人が死亡。乗客36人が重軽傷を負っている。

警察では事故原因を調べる目的で、2台のバスが事故直前に出していたスピードを測定する目的で、車両に備えられたタコグラフの分析した。

その結果、事故を起こしたバスは制限速度(80km/h)を10-20km/hオーバーしていた状態で走っていたことがわかった。さらには速度超過が1回だけではなく、昨年5月から事故当日までに当該車両だけで11回の違反が記録されていたことがわかった。

このため事故の原因解明とは別に、速度超過違反についても並行して調べを進めたところ、同社が福岡〜新宿便に使用している合計4台の車両すべてで速度違反の常態化が明らかになった。

会社側は当初「長距離便なので、スケジュールは余裕を持って組んである」と回答していたが、その後の調べで実際には余裕時間が少なく、渋滞に遭遇した場合にはスピードを上げて帳尻を合わせる必要があったことも判明した。

押収した資料からも速度超過違反を会社が暗に指示し、またそれを黙認していたような形跡も確認できたことから、最終的には「会社が違反を下命したり、容認していた」と判断。関係者の摘発に踏み切った。

《石田真一》

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