当て逃げ警官の飲酒は「証明できず」不起訴

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高知区検察庁は24日、今月3日に高知市内の県道で当て逃げ事故を起こしたとして、道路交通法違反(ひき逃げ、事故不申告)容疑で逮捕されていた高知県警・高知南署に勤務する58歳の警部補を同日までに略式起訴した。

酒気帯び運転の可能性も問われたが、この部分については嫌疑不十分と最終的に判断し、不起訴としている。高知簡裁は同日中に罰金5万円の略式命令をこの警部補に対して言い渡した。

問題の事故は今月3日の午前11時45分ごろ発生している。高知市長尾山町付近の県道交差点で、51歳の女性が運転する乗用車と小型バイクと出会い頭に衝突した。

バイクを運転していた男は事故後そのまま現場から逃走。女性がナンバーを覚えていたため、警察に対して「事故を起こしたバイクがそのまま逃げた」と通報した。高知署は通報を元にバイクの所有者を調べ、所有者は高知南署に勤務する58歳の警部補であることが判明した。

高知署員が男の自宅を訪問した際、男は酒を飲んでおり、呼気からは酒気帯び相当量にあたるアルコールを検知している。

取り調べに対し、この男は「バイクが大きく破損してないし、飛び出してきた向こうが悪いと思ったのでそのまま現場を離れた」と供述。飲酒については「風邪で体調が悪く、眠ることが出来ないので酒を飲んだ。事故に遭った際には酒を買いに行く途中であり、断じて飲んでいない」と主張している。

警察では事故の発生状況から「飲酒運転の可能性も高い」として、道交法違反(事故不申告、ひき逃げ、酒気帯び運転)で送検した。

しかし、検察では「酒気帯び運転で逮捕できる状況だったが、事故以前の飲酒を証明する手掛かりがなく、立件に至る証拠がない」として、飲酒運転の部分については嫌疑不十分として不起訴に。その他の部分は本人も大筋で容疑を認めていることから「立件できる」と判断。略式起訴した。

高知県警では略式命令による罰金支払いが決まったことを受け、近日中に警部補に対しての懲戒処分を行う方針だ。処分内容次第ではこの警部補が依願退職する可能性も高いとみられている。

《石田真一》

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