8日未明、福岡県宗像市内の国道3号線で大型トラックなど5台が関係する多重衝突事故が起きた。
事故に巻き込まれたトラックが搭載していた有機溶剤系燃料に引火したことで、このうち3台が激しく炎上。焼け跡から2人が遺体で発見された。警察では事故の原因調査と被害者の身元調べを並行して進めている。
福岡県警・宗像署の調べによると、事故が起きたのは8日の午前5時30分ごろ。宗像市徳重1丁目付近の国道3号線を福岡方面に西進していた大型トラックが、前を走る大型トラックに追突するという事故が最初に発生した。
この事故で、追突した側のトラックに積まれていた工業用有機溶剤入りのドラム缶数十本が路上に落下。一部が対向車線側に転がった。
直後、北九州方面に向かって東進していた大型保冷車がこの缶に乗り上げる形で対向車線側に逸脱。西進していた大型トレーラーと正面衝突した。さらに別のトレーラーも追突し、5台が関係する多重衝突事故に発展した。
正面衝突したこれらの保冷車とトレーラーは運転席が大破し、運転していた2人の男性は共に車外へ放出された。
そして潰されたドラム缶から漏れた溶剤が燃え出し、火はまたたく間に広がった。通報を受けた消防が駆けつけ、消火作業に当たったが3台はほぼ全焼し、焼け跡から運転手と見られる2人の焼死体が発見された。
ナンバーからの照会で運送会社を特定した結果、保冷車を運転していたのは47歳の男性、大型トレーラーを運転していたのは42歳の男性であると断定されたが、発見された2遺体は損傷がひどく、特定についてはDNA鑑定などを行う必要があるとされる。
警察では事故が起きた経緯を調べているが、最初に追突事故を起こした運転手が漫然運転をしていた可能性が高い。