意識障害の危険性を無視していた…厳刑求める

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昨年8月、コンクリートミキサー車を運転中に糖尿病治療薬を原因とする意識障害を起こし、これを暴走させた末に歩道へ突っ込み、女性3人を死傷させたとして業務上過失致死傷罪に問われた29歳の女に対する論告求刑公判が29日、名古屋地裁で開かれた。

検察側は裁判所に対し、禁固3年6カ月を求刑している。

この事故は昨年8月6日の午前9時50分ごろに発生している。名古屋市中村区名駅5丁目付近の市道で大型コンクリートミキサー車が突如として蛇行運転を開始。そのまま100mあまりを走行して堀川に架かる桜橋の歩道に突っ込み、歩いていた女性2人を巻き込みながら欄干に激突した。

この事故でトラックと欄干の間に挟まれて女性2人が即死。歩道に突っ込んでくるミキサー車を避ける際に足を捻挫した1人が軽傷。ミキサー車を運転していた女も衝突の弾みで車外に放出されて川に転落。全身を強く打つなどの重傷を負った。

運転していた女は16歳のときに糖尿病を発症し、インスリン投与による治療を続けていた。事故を起こす直前にインスリン摂取を行ったものの、過剰摂取状態から意識不明となり、これが原因でミキサー車を暴走させたことがその後の調べで明らかになった。

29日に名古屋地裁で行われた論告求刑公判で検察側は「過去に二度も意識障害を起こして倒れているにも関わらず、それが事故に直結する重大な出来事と認識せず、医師や雇用主の忠告を無視して運転を続けた過失は極めて重大」と指摘。裁判所に対して禁固3年6カ月を求刑した。

これに対して弁護側は「過剰摂取の状態となり、それが原因で事故につながったことは本人も深く反省しているが、医師の指示に従う形でインスリンの摂取を行っていたことは認めてほしい」と情状の酌量を求めた。

判決は4月19日に言い渡される予定だ。

《石田真一》

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