●04年役員人事は小幅変更
トヨタ自動車は、取締役の大幅削減などによる新経営体制が、6月の定時株主総会を経て2年目に入る。すでに内定した役員人事は、副社長以上が全員留任となるなど小幅にとどまる。注目された豊田章男専務への政権委譲の布石は来年以降に持ち越された形だが、2006年に社長就任という道筋も見えてくる。
トヨタは昨年6月の「経営改革」で、取締役を59人から半分以下の27人に削減するとともに、新たに常務役員(39人)制度を導入した。経営のスピードを速めるため、業務部門ごとの意志決定階層を専務以下で完結するようフラット化したものだ。
新体制では取締役、常務役員とも任期は1年となったことから、今年6月には大幅な「改造人事」を予想する向きもあった。だが、北米や中国、欧州での新規工場立上げや国内販売体制の再編など大型プロジェクトが山積していること、6人の副社長がいずれも定年内規の65歳に達していないことなどから、副社長以上は全員留任となった。
取締役で退任するのは安田善次、箕浦輝幸の両専務と豊田周平氏(専務待遇)の3人。このうち、安田専務は6月にグループの車体メーカーである関東自動車工業の社長就任が内定している。豊田英二最高顧問の3男である周平氏は、豊田紡織、アラコ、タカニチの3社が合併して今年10月に発足する内装品メーカーの副社長に就任する。また、箕浦専務はダイハツ工業の副社長となる。両氏とも次期社長含みと見られている。
代わって服部哲夫氏ら4人の常務役員が専務(専務待遇含む)に昇格する。取締役は今年1月に磯村巌副会長が死去したため現時点では26人だが、6月の株主総会後は再び27人となる。
1/3●04年役員人事は小幅変更
2/3●日本経団連の会長人事とワンポイントリリーフ説
3/3●豊田章男社長就任への支障と布石