【暴走羽田空港】12秒差…惨事が起きなかったのは偶然

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東京国際空港(羽田空港)の制限エリア内にクルマを強奪した男が侵入し、滑走路付近を暴走したという事件で国土交通省は4月30日、男が運転するクルマが着陸してきた飛行機と衝突する可能性が極めて高かったことを明らかにした。

男が最後に奪ったクルマに搭載されていたGPS利用の運行管理システムからその挙動が判明したという。

男は神奈川県川崎市内で最初のクルマを奪い、東京国際空港方面に逃走。その後に同空港の貨物ターミナル付近で女性から乗用車を強奪。これでフェンスを破壊して制限区域内に侵入するとともに、滑走路を横断するトンネル内でリムジンバスを。バスを脱輪させた後はリムジンバスが所有するパトロール車を奪って暴走を続けた。

このうち、最後に奪われたパトロール車にはGPSを利用した運行管理システムが搭載されており、クルマがどの地点を走っているのかがセンター側で把握できるようになっていた。

国交省がログの解析を行ったところ、パトロール車は事件の起きた4月28日の午後7時33分27秒にC滑走路内に侵入。これを横切る形で同33分42秒までの15秒間、滑走路上を走っていたことがわかった。

高松発の日本航空1410便は午後7時32分45秒から同33分15秒に掛けての間、C滑走路に着陸していたが、同機のパイロット2人は「着陸進入中、滑走路上に障害物は確認できなかった」と報告しており、国交省では「日本航空機が着陸した直後、パトロール車はそれを追いかけるように滑走路に侵入したのではないか」とみている。

また、クルマが滑走路を横断した約4分後には、後続の福岡発スカイマークエアラインズ014便が同じC滑走路に着陸しており、クルマが滑走路内で立ち往生していた場合には、こちらの便に危険が及んでいた可能性も指摘されている。

今回の事件は覚せい剤中毒者による突発的なものとして処理されつつあるが、これがテロとして行われていた場合には「故意に航空機と衝突させることもできた」ということになる。

《石田真一》

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