【ボルボS40/V50試乗】小さいボディでS80の衝突安全性能を獲得したワケ…小沢コージ
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そこで試乗会に来ていた安全担当エンジニアのラグナ クローナさんに聞いてみました。するとクローナさんはまず「カーテンエアバッグやSIPS(側面衝撃吸収システム)とのコンビネーションで性能を発揮する」と前置きした上で3つのポイントを挙げてくれた。
まずはキャビンの前にある台形構造。
「これはボルボが95年ぐらいから温めてきたアイデアで、コンパクトですが非常に硬い構造なんです。前から来た衝撃をしっかり受け止め、キャビンを守ることができます」
このときに大切なのが台形の前の部分にある「3レッグサポート」。
「これがサイドメンバーを伝わってきた衝撃を3方向に逃がすんです。真後ろと真横とナナメ下に」。うーむ、確かにイラストで見ると、前から来た力を、傘を後ろに開いたような形で受け止めてるのがわかる。
「もうひとつはエンジンです。ボルボは決してV型エンジンを採用しないでしょう。あれは幅の短い直列5気筒エンジンを使って、そのぶんをデフォメーションゾーン(衝撃吸収ゾーン)に使いたいから。とくに今回の新型5気筒は前のより約20cmも幅が短くなっています。すべては安全のためなんです」。
なんというコダワリ。あとじつはS40/V50は3種類の高張力鋼板を使い分けていて、「潰れていいところ」「ギリギリ潰れていいところ」「絶対潰れちゃいけないところ」などに分類してボディを設計してるんだとか。いやはや、やっぱ“安全オタク”ですな。ボルボは(つづく)。
《小沢コージ》