研修が誤っていた…バスが認可外ルート走行

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日立電鉄バスは18日、同社が運行する高速路線バス2路線で、国土交通省が認可した経路を外れて走行する不祥事が起きていたことを明らかにした。このうち1路線では、同社が運転手に対し、研修の時点で誤ったコースを教えたことが原因だという。

同社によると、国土交通省が認可した経路を外れて運行されていたのは、日立から成田空港に向かう「日立−成田線」と、日立から羽田空港に向かう「日立−羽田線」の2路線。

この2路線はJR水戸駅前に立ち寄るが、水戸市内の約1km区間で国土交通省が認可した国道51号線ではなく、隣接する別の市道を通行していたことがわかった。

しかも運転手の誤認が原因ではなく、運行開始前の実地研修の段階で「誤ったコースを教える」ことによってコヘス外走行が発生したことも判明している。

この2路線を担当する運転手は31人いるが、そのうちの22人が2000年の運行開始前に誤ったコースを習い、営業運転が開始された後も認可外コースを「正規のコース」と思い込み、そのまま運転を続けていた。

このうち11人については、後になって同僚運転手から誤りを指摘されたため、国道を通るコースに修正していたが、残る11人は誰からも指摘されず、誤ったコースをそのまま走っていたという。

路線バスの場合、運行ルートの認可は国土交通省(この場合は地元を管轄する関東運輸局)が認可しており、勝手にルートを変えることは許されていない。時間帯によって渋滞が起きる箇所を外し、別ルートを通行する場合には、そのルートも含めて認可申請する。

定時運行を求められる空港連絡バスの場合、運転手が渋滞を回避する目的で臨機応変にコースを変えてしまうトラブルは過去にも他の地域で発生しているが、研修の段階から誤っていたというケースは珍しい。

同社はすでにこの事態を関東運輸局に報告しているが、同社の路線高速バスは今月8日、スピードメーターが壊れた状態のままで運行を続けるという不祥事が起きたばかり。

今回の一件は通常では考えられない不祥事だけあって、関東運輸局でも関心を持っており、スピードメーターの件を絡めた形で特別監査が実施されるものと思われる。

《石田真一》

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