暴走族グループの安全を保証する見返りに走行料徴収

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宮城県警は24日、自分の所属する暴力団の縄張りと主張するエリアで暴走族の活動を容認する見返りとして、メンバーから“走行料”という名目の現金を上納させていた25歳の暴力団組員を宮城県暴走族根絶条例違反(金品収受の禁止)容疑で逮捕した。

宮城県警・岩沼署によると、宮城県暴走族根絶条例違反で逮捕されたのは、岩沼市を拠点とする指定暴力団に所属する25歳の組員。

この組員は2003年5月から今年4月までの間、市内を拠点とする暴走族グループのメンバー3人に対して「うちの組の縄張りで走ることを認めてやるから、その代わりに走行料を納めろ」と強要し、1カ月あたり1人2000円の上納金を受け取っていた疑いが持たれている。

また、仙台市などを拠点とする暴走族が岩沼市内に入ってきた場合、ビジター料と称して、1台当たり4000円を徴収していたとみられる。

組員は現金を受け取る代わりとして、走行を容認するとともに、「トラブルが起きた場合には暴力団がバックにあることを宣言しても構わない」と、面倒見的な立場にいたとされる。また、こうした上納金の納付を怠った場合には「グループを潰す」とも脅していたとみられ、こうした経緯から上納を拒めないシステムを作り上げていたようだ。

宮城県では2003年5月に宮城県暴走族根絶条例を改正し、暴走族メンバーから金品の収受を禁止し、これらに違反した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金刑という罰則を設けた。

暴走族と暴力団の癒着を断ち切る目的で追加されたという経緯があり、同様の罰則規定は全国8県で導入されているが、宮城県警によると収受が確認され、条例を適用して逮捕するのはこれが全国初としている。

今回はこの組員が別の傷害容疑に関わったとして逮捕され、その捜査過程で明らかになったものだが、警察では上納された資金が暴力団に流れたものとみて、組織全体に対する捜索実施も視野に入れ、事件の全容解明を目指してこの男をさらに厳しく追及する方針だ。

《石田真一》

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