欧州のベーシックカーである。彼の地で使われる移動の道具として、もっとも「素」に近いものを具体化すると、こうなる。
着座姿勢を起こし、短い中に必要空間を構築する設計はきっちり定石。ただ後席はシートが極薄・平板。欧州でも1〜2人乗車が多いのだが。
走りも欧州一般道を100km/h前後で駆ける状況で仕上げた印象。転舵〜向き変え+ロール〜旋回のリズムが合うのは日本の常用域よりはかなり上。
低速でも凹凸を踏む感触は柔らかいが、入力伝達や動きのリズムはやや粗い。同じ骨格を使うデミオのほうが質感、走り、価格設定ともに日本に適合している。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★☆☆☆
パワーソース:★★☆☆☆
フットワーク:★★☆☆☆
オススメ度:★☆☆☆☆
両角岳彦| 自動車評論家
1951年長野県松本市生まれ。モノごころついた時からクルマが好き。大学・大学院と自動車工学を修め、自動車専門誌を経て独立。現在は徳大寺自動車文化研究所・主任研究員としてディーゼル排気浄化システムの開発に注力中。