万引き追跡店主の死亡、懲役10年は重くない

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万引きを発見され、その逃走を阻止しようとクルマにしがみついた男性店主を振り落とすため、自車を故意に電柱に接近させ、男性を電柱に激突させて死に至らしたとして、強盗致死などの罪に問われていた17歳の少年に対する控訴審判決が17日に高松高裁で開かれた。

裁判所は一審の懲役10年の実刑を支持。少年の控訴を棄却している。

問題の事件は2003年7月28日に発生。午後5時ごろ、愛媛県今治市大新田町5丁目付近の市道で、55歳の男性が電柱の脇に頭から血を流して倒れているのを通行人が発見した。男性はすぐに病院に運ばれたが、全身を強く打ったことが原因で死亡した。

当初はひき逃げ事故の可能性が指摘されたが、事件翌日に16歳の少年が警察に出頭。

この少年が、死亡した男性の経営する衣料品店から商品の地下足袋4足(約5000円相当)を万引きしてクルマで逃走しようとした際、それを阻止しようとクルマにしがみついた男性を振り落とす目的で、故意に電柱へ接近。男性を激突させていたことがわかった。

警察ではこの少年を傷害致死容疑で逮捕。送検の際には強盗致死に容疑を変更。検察も同罪で起訴していた。

一審の松山地裁では「極めて悪質」と判断。少年が犯した罪としては最高量刑に当たる懲役10年の実刑判決が言い渡されていた。これは成人の場合の無期懲役に相当するもので、弁護側が量刑不当を理由に控訴していた。

17日に行われた控訴審判決公判で、高松高裁の古川博裁判長は「事故の結果は悲惨で重大。遺族の精神的衝撃も大きく、厳罰を望んでいる被告に酌量の余地はない。成人の無期懲役にあたる懲役10年の判決が重いとは言えない」として、一審の松山地裁判決を支持。被告の控訴を棄却した。

《石田真一》

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