事故被害者放置の警察官と虚偽書類作成疑惑の監察医、再び不起訴

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交通事故を起こして車内で気を失っていたにも関わらず、現場に駆けつけた警察官は「酔っているもの」と判断して現場に放置し、結果として死亡した男性の遺族が警察官3人と監察医が不起訴となり、検察審査会が不起訴不当を決定し、横浜地検が再捜査していた問題で、同地検は18日までに全員を不起訴とした。

問題の事故は1997年7月19日未明に発生している。横浜市保土ヶ谷区内の市道交差点で、当時54歳の男性が運転するRV車が電柱に激突する事故を起こした。男性は激突した際に胸を強打。そのまま意識を失って運転席で倒れた。

近隣住民の通報を受けて駆けつけた神奈川県警・保土ヶ谷署員は、このクルマに衝突した際の痕跡があるにも関わらず、男性が署員の呼びかけに応じないことから「酔って寝ているだけ」と判断。

クルマを他車の通行の支障にならない路肩に移動し、男性をそのまま車内に置いたまま現場を離れた。男性は数時間後、最初に通報したのとは異なる住民の要請で駆けつけた救急隊員によって病院に収容されたが、約10時間後に死亡している。

遺族は「警察の対応に不手際があった」として刑事告訴していたが、全員が不起訴に。横浜検察審査会に不起訴不当の申し立てを行い、同審査会が不起訴不当を議決。これを受けて横浜地検が保護責任者遺棄致死や虚偽公文書作成などの容疑で再捜査に乗り出していた。

監察医は男性の死亡原因を心筋梗塞として、男性から採取したという臓器片を証拠として提出していたが、これについては再捜査の過程で別人のものと判明。男性の遺体に司法解剖の形跡が無かったことから、監察医が警察の求めに従った検案書を作成していたのではないかという疑惑が高まっていた。

しかし、同地検では18日までに最初に現場へ急行し、男性を放置する判断を行った警官2人については「故意に放置したという証拠がない」として不起訴に。虚偽の検案書を作成した疑いの強い監察医と、立会いの警察官についても不起訴とした。

《石田真一》

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