罵倒と暴力で自殺を決意させる…保険金詐欺事件

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同居していた男性に自殺するように強要し、クルマで海に転落させる事故を起こして死亡させ、保険金2500万円を騙し取ろうとしたとして、恐喝や自殺教唆、詐欺未遂の罪に問われた35歳の男に対する初公判が18日、和歌山地裁で開かれた。

問題の事件は昨年10月13日に発生している。同日午後7時30分ごろ、日高町にある阿尾漁港から34歳の男性が乗ったクルマが海に転落した。

一緒に釣りに来ていたと称する男から「連れがコーヒーを買いに行ったまま帰ってこない」という通報があり、警察が付近を捜索した結果、海中に沈んでいるクルマを発見。男性は午後11時ごろに車内から救出されたが、すでに死亡していた。

男は昨年12月に「男性は事故で死亡した」として、自分が契約している保険会社に対して搭乗者保険など約2500万円を請求した。しかし、死亡した男性とこの男が養子縁組を結ぶなど不自然な点があることから、支払いをストップしている。

18日に和歌山地裁で行われた初公判で、被告の男は起訴事実を全面的に認めた。

検察側は冒頭陳述で、被告の男が被害者に対して毎日のように行っていた罵倒の一端を明らかにしている。被告は被害者に対して日常的に罵倒と暴行を行い、被害者の精神を疲弊させた上で自殺を仕向けるような言動を繰り返したという。

事件当日も仕事が見つからない被害者に対して「お前みたいなやつは死ないと直らない」、「そんな状態で生きている意味はないだろう」などと罵倒。最終的に被害者は「自分が情けない。今日ここで死ぬ」と言い出し、クルマで海に飛び込んだという。

今後の裁判では被告の罵倒や暴力が、被害者の死にどう結びついたのが論点になると思われる。

《石田真一》

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