他人に免許発行、それが犯罪に使われて警官処分

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宮崎県警は23日、運転免許証を再交付する際の本人確認作業の手順を遂行せず、別人の名前を騙った男に対して免許証を交付してしまったとして、県警・運転免許課に所属し、宮崎運転免許センターで勤務する巡査部長に対し、減給1カ月の懲戒処分を命じた。

宮崎県警・監察課によると、他人名義の運転免許証を再発行したとして処分されたのは県警本部の運転免許課に所属し、宮崎運転免許センターで勤務する58歳の巡査部長。他人名義の免許証の交付を依頼したのは、窃盗や詐欺の容疑で逮捕・起訴された62歳の男。

この男は今年3月17日、宮崎免許センターを訪れ、知人の名前を名乗り、「免許を無くしてしまった」と偽り、運転免許証の再交付を願い出た。

問題の巡査部長はこのときに男の接遇を担当したが、申請書に書かれた名前を免許センター備付の台帳と照らし合わせ、チェックを行ったところ、以前に申請された際に添付された写真と顔つきが違うことに気がついた。

通常、こうした場合は複数の職員でチェックを行う決まりになっているが、巡査部長はこれを怠り、男に対して「顔が違うようですが」と問いかけるに留めた。男はこの際に「闘病生活で顔つきが変わってしまった。別人のようになってしまったとよく言われるんです」と答え、巡査部長はこれに対して何の疑いも持たないまま、免許証の再交付手続きを行ってしまった。

男は入手した免許証を使用し、消費者金融から現金50万円を騙し取るなどしていたが、別の窃盗容疑で今年4月に家宅捜索を受けた際にこの免許証が発行され、男の供述によって再交付に至るまでの経緯が明らかになった。

警察では「手順を守っていれば、交付を未然に防げた可能性が高く、詐欺事件も発生しなかった」として、巡査部長の処分に踏み切った。

巡査部長は「確認手順を守らなかった結果、詐欺事件が実際に起きてしまった。反省している」とコメントしている。

《石田真一》

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