7日午後、福島県郡山市内の消防署で、消防隊員2人がはしご車のリフター(昇降機)に乗って整備点検を行っていたところ、リフターを牽引していたワイヤーが切断され、そのまま35m下の地面に落下した。
この事故で44歳の隊員が死亡、32歳の隊員が両足の骨を折る重傷を負った。
福島県警・郡山署によると、事故が起きたのは7日の午後2時10分ごろ。郡山市堂前町の郡山地方広域消防組合消防本部・郡山消防署の中庭で、はしご車のはしごを上限まで伸ばし、はしご部分の清掃や点検整備を行っていた隊員2人の乗った「リフター」と呼ばれる昇降機が突然急降下。
2人はリフターに命綱を付けて作業を行ったため、落下したリフターごと地面に叩きつけられた。
この事故で44歳の消防隊員が全身を強打し、収容先の病院で約3時間後に死亡。32歳の隊員が両足の骨を折る重傷を負った。
後の調べで、リフターを牽引して上げ下げを行うためのワイヤーが切断しており、これが原因で急降下したものと推測された。
また、はしごにはリフターの急降下を防止するための安全装置が装着されていたものの、今回は動作した形跡がなく、リフターはかなりの速度で落下し、その勢いで地上近くに設置されたストッパーをも突き破り、地面に落ちたらしい。
事故の起きたはしご車は2001年1月に導入されたもので、現場で使用した回数は27回。延べの稼働時間は約25時間20分だという。これ以外にも1日1回、はしごを伸ばしてリフターの上下動を確認するチェックが行われているという。事故当日ははしごの清掃を兼ねた整備点検だが、ワイヤーに関する点検では無かった。
郡山消防署には同型のはしご車がもう1台あるが、安全の確認が終了するまで使用禁止にする方針だ。