ふだん使われる潜水橋には転落防止措置を

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川の増水時には水面下に没する「潜水橋(沈下橋)」からクルマが転落、兄妹が死亡していた事故で、この兄妹の遺族が橋を管理する徳島市に対して損害賠償を求めた裁判(民事)の控訴審判決が22日、高松高裁で言い渡された。

裁判所は一審を支持。市の管理責任を認めたが、賠償金額については算定の見直しを行っている。

問題の事故は2001年8月22日に発生している。同日の午前8時ごろ、徳島市飯谷町付近にある飯谷橋から2人乗りの乗用車が下を流れる勝浦川に転落した。川は台風の影響で増水しており、クルマはそのまま流され、乗っていた兄妹2人が死亡した。

飯谷橋は増水時に橋が水没する「潜水橋」で、水の流れを円滑にするため欄干などは設置されていなかった。

ただ、橋から転落するクルマが相次いだため、水圧が掛かると破壊される簡易的なバリケードが設置された。しかし、事故当時はこれが何者かによって撤去されて落下の防止措置が取られていなかった。

兄妹の遺族は「橋を管理する徳島市が適切な防護を行う必要があった」として提訴。徳島市は「事故前に100台を超えるクルマがすでに通行しており、転落の原因はスピードの出しすぎによるスリップが原因だった」と反論した。

一審の徳島地裁は遺族側の主張をほぼ認め、約5900万円の賠償を徳島市に命じた。市側はこれを不服として高松高裁に控訴していた。

22日に行われた控訴審判決で、高松高裁の水野武裁判長は、「潜水橋とはいえ、普段の通行に使われている場所であり、市は積極的にクルマの転落防止措置を講じる義務があった。転落事故はこれを怠ったがために発生している」と、一審判決を支持した。

しかし、賠償額については「妹については算定方法を見直す必要がある」として、賠償の総額を約3050万円に減額している。

《石田真一》

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