手帳をネタに違反の揉み消しを迫る

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神奈川県警は22日、警察官が紛失した手帳を返却する代償として、交通違反のもみ消しを求めた男を逮捕した。手帳にはこの男の違反摘発をした警察官が担当した事件に関する情報が記されていたという。

神奈川県警・相模原南署によると、警察官に対する職務強要の容疑で逮捕されたのは、相模原市内に住む25歳の男。この男は10日の午後3時30分ごろ、相模原市古淵5丁目付近の国道16号線で実施されていた交通検問で、シートベルト未着用によって摘発された。

この際、違反の摘発を担当した同署・地域3課に所属する45歳の巡査長が職務中に使用し、左胸のポケットに入れていた手帳が、男が運転していたクルマの車内に落下。巡査長はそれに気がつかず、違反処理をした後に男を帰した。

男はその後、車内に見知らぬ手帳が落ちていたことに気づいて中身を確認したが、そこには巡査長が扱った事件の被害者などの個人情報が記されていた。男は「個人情報の漏洩になるので、違反のもみ消しに使えるのではないか」と判断。

翌11日の午後7時ごろに同署に電話を掛け、応対した地域3課長職にある39歳の警部に対して「警官が被害者の個人情報を書いた手帳が手元にある。これをマスコミに流したら面白いことになりますね」と告げ、その上で「返す条件として交通違反の取り消しをしてくれないか」と持ちかけた。

警部は職務強要行為と判断。名指しされた巡査長が担当した交通違反者の摘発リストを洗い直したところ、男の存在が浮上した。同署ではこの男に対して任意での取り調べを続けていたが、男のクルマのダッシュボードから手帳を発見したため、同容疑で逮捕した。

押収した手帳には、男が電話で告げたとおり、巡査長が今年5月以降に担当した事件について、発生日時や内容、被害者の氏名や住所などが書かれていた。被害届や調書を作る際、最初に記入するもので、記録自体に違法性はなく、手帳も支給されたものだという。

巡査長は手帳を紛失したことに気づいていたが、違反摘発をした男が使っているクルマの中に落としたとは考えておらず、上司に紛失の事実を報告していなかったようだ。

《石田真一》

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