ベテラン警備員の裏切り…現金輸送車を乗り逃げ

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神奈川県警は23日、現金約1億5600万円を積んだ輸送車を乗り逃げし、約6600万円を盗んで姿を消した警備会社の元社員で、現金輸送を担当していた男を業務上横領容疑で同日までに全国の警察本部へ指名手配した。

男は今月9日から失踪しており、行方はわかっていない。

神奈川県警・捜査2課によると、業務上横領で全国に指名手配されたのは、日本通運・横浜警送支店で現金輸送車の運転を担当していた42歳の元社員の男。

この男は今月9日の午後5時ごろ、横浜市旭区市沢町付近のスーパーマーケットでその日の集金を終えた際、同僚に対して「お世話になった人に渡すので、大判焼きを買ってきてほしい」と依頼。

本来は2マンクルー体制で、現金輸送車から単独で離れて行動することは禁じられているが、同僚は特に疑問にも持たず、依頼のとおりに買い物に出かけた。

約5分後、買い物を終えて駐車場所に戻ったが、クルマの姿は無く、同僚の警備員は「運転していた先輩ごと盗まれた」と判断。上司に対して事態を報告するとともに、警備会社は車両に搭載されたGPS式の現在位置発信装置を使用。クルマの行方を追った。

その結果、現金輸送車は運転を担当していた警備員の自宅近辺にあることがわかった。警備会社は警察に事件の発生を通報。これを受けた警察官が警備員の自宅に急行し、捜索した。

現金輸送車は位置発信装置が示したとおり、警備員の自宅アパート付近で発見されたが、中に搭載されていた現金約1億5600万円の入った袋が無くなっており、さらに調べたところ、警備員の自室から約9000万円分を発見。これを回収した。

しかし、残りの約6600万円分については発見できず、状況からこれは警備員本人が持ち去ったと判断。報告を受けた警備会社は被害を警察に届け出た。

姿を消した警備員はキャリア12年のベテランで、ここ数年は現金輸送を担当していた。事件当日も午前中から神奈川県内6カ所のスーパーを巡り、売上金の回収を行っている。

ベテランだけに現金輸送車の防犯システムも熟知しているが、警備会社はこうした社員が現金を強奪するということは想定しておらず、大きなショックを受けているようだという。

警備員は今月12日付けで懲戒免職処分となったが、失踪以後はまったく連絡が取れない状態のため、全国に指名手配されることになった。

《石田真一》

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