東海北陸道の対面通行区間で再び衝突

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27日朝、岐阜県郡上市内の東海北陸自動車道の対面通行区間にあるトンネル内で、普通トラックが対向車線側に逸脱し、48歳の男性が運転する乗用車と正面衝突する事故が起きた。

2台は衝突直後から激しく炎上し、双方のクルマに乗っていた合わせて7人全員が死亡している。

岐阜県警・高速隊によると、事故が起きたのは27日の午前7時25分ごろ。郡上市大和町付近の東海北陸自動車道・平山トンネル北側出入口近くで、3トン積みの普通トラックが爆発音とともに対向車線側に逸脱。対向してきた乗用車と正面衝突した。

乗用車はトラックによって約50m押し戻されて側壁に激突。破損したガソリンタンクに引火し、そのまま激しく燃え上がった。2台のクルマは全焼し、乗用車に乗っていた家族5人と、トラックに乗っていた建築会社の2人の合わせて7人が焼死体で発見された。

事故現場のトンネルは片側1車線の対面通行区間。トラックの後続で事故を目撃したドライバーは警察の調べに対し「トンネルの出口に近づいた段階で爆発音が聞こえ、直後にトラックが対向車線側の壁面に接触した。そのまま対向車線を走り、乗用車と正面衝突した。すべてが一瞬の間に起きた」と供述している。

事故を起こしたトラックの右前輪にはパンクしたような形跡があり、荷台には積載量を大幅に上回る約4.5トンの鉄パイプなどが積まれていたことから、警察では過積載が原因でタイヤがパンクし、制御不能になったまま対向車線側に飛び出したものとみている。

なお、事故を起こしたトラックは三菱ふそう製だが、リコール対象車種ではなく、事故と欠陥の因果関係は小さいとみられている。

東海北陸自動車道の対面通行区間では以前から同様の衝突事故が相次ぎ、過去5年間に10件が発生、12人が死亡している。

今月17日夜には今回の現場から南に約8km離れた地点で正面衝突事故が発生し、4人が死傷する事故が起きたばかり。2003年10月には今回と同じ郡上市内(当時は高鷲村)でクルマ6台が関係する多重衝突事故が発生し、7人が死傷している。

対面通行区間には、中央分離帯の代わりとして、高さ65cmの樹脂製のポールが設置されている。トンネル内では5m間隔で、それ以外の場所では10m間隔で立てられているが、接触した際には車体を破壊しないよう、簡単に倒れる設計となっており、それ自体にクルマを止めるような効果はない。

警察では「山間部であり、制限速度は70km/hと低めに設定しているが、自動車専用道路という性格から高速度で走るクルマが多く、対面通行区間で事故が起きた場合には悲惨な結果を招きやすい」と説明している。

《石田真一》

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