悪ふざけが発端…危険運転罪の最高量刑、懲役18年を命じる

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飲酒運転と無免許運転を原因とする衝突事故を起こし、6人を死傷させたとして危険運転致死傷罪に問われた22歳のペルー国籍の男に対する判決公判が3日、宇都宮地裁で開かれた。

裁判所は検察側の求めていた併合罪の適用を認め、危険運転罪としては最高量刑となる懲役18年の実刑判決を命じている。

問題の事故は2003年9月20日に発生した。同日の午前3時30分ごろ、真岡市熊倉付近の市道交差で、青信号に従って進行していた22歳の女性が運転する乗用車と、赤信号を無視して猛スピードで交差道路を進行してきた別のクルマが出会い頭に衝突した。

この事故で双方のクルマは大破し、衝突された側の2人が搬送先の病院で死亡、衝突した側の男女3人が重傷を負った。

衝突した側のクルマを運転していたペルー国籍の男は重傷を負いつつも、事故直後に現場から逃走したが、同日午後までに業務上過失致死傷容疑で逮捕されている。

その後の調べで、事故当時この男が酒酔いに近い状態だったことが発覚。さらには無免許の上、135km/hという猛烈な速度で衝突していたこともわかった。警察は「あまりに悪質」として、容疑を危険運転致死傷に切り替えて送検。検察側もこれを支持し、同罪で起訴していた。

3日に行われた判決公判で、宇都宮地裁の飯渕進裁判長は「悪ふざけを発端とする無謀運転が事故の原因であり、速度超過や飲酒運転など、事故の態様も無謀かつ危険極まりない」と指摘した。

その上で「事故を起こした結果は激烈で、命を落とした女性2人は若く、両名の無念さは言葉では言い尽くせず、これらを勘案すれば被告の情状を酌量する余地はない」とし、検察側が求めていた併合罪の適用も認め、被告の男に対して懲役18年の実刑判決を言い渡した。

今回の懲役18年という判決は、2001年に危険運転罪が施行されて以来、最も重い刑となる。これまでの最高量刑は15年で、今回はそれを3年も上回った。

《石田真一》

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