16日、島根県松江市内で、電話で予約した客の送迎に応じて指定された場所に向かったタクシーが、運転手が客を探すために降りたわずかな隙に車体を盗まれるという事件が起きた。
車体は約15分後に発見され、近くにいた55歳の男が窃盗容疑で逮捕されている。
島根県警・松江署によると、事件が起きたのは16日の午後2時30分ごろ。松江市山代町のスーパーマーケット駐車場から「何者かにクルマを乗り逃げされた」と、タクシー運転手から110番通報が寄せられた。
タクシー運転手は会社から「配車の予約が入った。相手はスーパーの店内で待っているので、到着したら呼びに来てほしい」との連絡を受け、駐車場にエンジンを掛けたままのクルマを止め、店内に客を探しに行った。
しかし、店内に該当するような客はおらず、無線で会社に確認しようとクルマに戻ったところ、駐車したはずの車両が姿を消していることに気づいたという。
この近辺では前日にも同様の手口で、呼び出されたタクシーから売上金の納められた袋が盗まれる被害が出ており、警察では同一犯による犯行の可能性が高いとほぼ断定し、周辺の捜索を行っていた。
その結果、タクシーの車両が盗難されたスーパーから東へ500mほど離れた路上で車両を発見。売上金の入った袋を持ち、近くを歩いていた55歳の男に職務質問を行い、その後に任意の取り調べを行ったところ、現金を奪う目的でクルマを持ち去ったことを大筋で認めたため、夜までに窃盗容疑で逮捕した。
警察では15日の事件についても関連を調べているが、この件については「知らない」などと話しているようだ。