飲酒運転を容認した警察官に減給処分

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福井県警は20日、酒気帯び運転で検挙したドライバーに、自らクルマを運転して帰宅することを容認したとして、敦賀署に所属する巡査部長に対して懲戒処分を同日付で実施するとともに、酒気帯び運転幇助容疑で書類送検した。

福井県警・監察課によると、減給処分と道交法違反(酒気帯び運転)幇助容疑での書類送検対象となったのは、敦賀署・地域課に所属する46歳の巡査部長。問題の事件は今年2月22日の早朝に発生している。

同日の午前5時20分ごろ、敦賀市清水町2丁目付近の市道でこの巡査部長がパトロールを行っていたところ、ふらふらとした挙動で走るクルマを発見。停止を求めた。

アルコール検知を実施した結果、運転していた30歳代の女性から酒気帯び相当量のアルコールを検出したため、巡査部長は所定の違反処理を行うとともに、検挙した女性に対してクルマを置いて徒歩かタクシーで帰るように進言した。

しかし、早朝の時間帯であるためかタクシーはつかまらず、女性は「トイレに行きたい。クルマも放置するわけにはいかない」と懇願。そのうちに女性は「おまわりさんが運転すればよい」と迫った。

巡査部長は処置に困り、結果として自宅まで女性が自ら運転することを容認。ミニパトカーで後方から追走するなどして女性の運転を見守ったという。

検挙された女性が翌日、別の警官に対して「自分で運転して帰るのをおまわりさんが見ていた」と供述したことでこの不祥事が発覚。摘発から時間を置いたわけではなく、アルコールが残留している状態での運転を容認したと同義として問題になっていた。

監察課の事情聴取に対し、この巡査部長は「女性と面識はなく、便宜を図ったわけではない」、「自宅が近かったし、情に流された」などと供述。あくまでも一時的な措置であったことを強調した。

しかし、監察課では「警官にあるまじき行為」として、巡査部長に対して減給10分の1を3カ月とする懲戒処分を20日付で実施。同時に道交法違反(酒気帯び運転幇助)容疑で書類送検した。

警察では「同様の不祥事が起きないよう、指導を徹底させる方針だ」とコメントしている。

《石田真一》

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