圧倒的なパワーで脳天をシビレさせる『C55 AMG』には正直困った。刺激的な加速フィールとパワーをきっちり受け止めるシャシーの出来ばえには、抗うことが難しい。
ECOが問われるこのご時世。コンパクトなセダンルックに強烈なパフォーマンスを隠すやり方は、フルサイズの『Sクラス』で威張られるよりは反感も少ないだろう。
しかし、そんな精神的/経済的リスクを負うまでもなく、納得の行くコンパクトメルセデスのよさを実感できる。デビュー4年目に登場の『C230』 は、内外装や走りの質感のすべてがある境地に達している。久しぶりに欲しくなった一台。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
伏木悦郎| 自動車評論家
70年代にレースを志し富士スピードウェイで参戦。その間偶然知り合った自動車雑誌編集者にスカウトされる形で業界入り。78年から一貫してフリーランス。FRの魅力に傾倒し国産車によるコンパクトFRの再生が宿願。