持ち主の無念晴らす…ヘルメットがひき逃げ犯を追いかけた

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警視庁は13日、今月9日に東京都内の首都高速でひき逃げ事故を起こした男を業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。逮捕のきっかけとなったのは、被害者のヘルメットだったという。

警視庁・高速隊、埼玉県警・上尾署によると、ひき逃げ容疑で逮捕されたのは、埼玉県上尾市に在住する49歳の男。

この男は今月9日の午後11時45分ごろ、世田谷区用賀付近の首都高速3号上り線を乗用車で走行中、前方で31歳の男性が運転する中型スクーターが起こした単独転倒事故に気づくのが遅れ、路上に倒れていたこの男性をはね、そのまま逃走した疑いがもたれている。

男性は頭をはねられ、ほぼ即死だった。

警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始したが、男性が着用していたと思われるヘルメットは現場周辺からは発見されず、高架橋から落下した可能性もあるとして捜索を続けたが、事故の発生時間帯が夜間ということもあり、最終的に断念している。

ところがこのヘルメット、意外な場所で発見される。10日午後、埼玉県警・上尾署から警視庁に対して「穴の開いたヘルメットを持った男が出頭している。事故の目撃者と名乗っている」との連絡が寄せられた。

警視庁は死亡ひき逃げ事故の情報を伝達。同署や高速隊の隊員が任意で事情聴取を続けたところ、男は最終的にひき逃げした事実を認め、業務上過失致死と道交法違反容疑で逮捕されている。

ヘルメットは死亡した男性が転倒した際に脱落。そのまま男が運転するクルマの底部に引っかかる形となった。ヘルメットは世田谷から上尾までの約60kmの間、脱落することなく「ガラガラ」という異音を立てながらクルマとともに走り続けた。

男は取り調べに対して「底部から異音が響いていることには気づいていた。ひいた男性の頭部が引っかかっているのではないかと思い、恐怖でクルマを止めることも、覗き込むこともできなかった」などと話しているという。

《石田真一》

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