●全日本GT選手権、GT500クラス
もうひとつの国内最高峰カテゴリーは、“ハコ”の全日本GT選手権(JGTC)だ。人気においてはFニッポンを凌駕するJGTCでは、今季も日産、トヨタ、ホンダによる激しいメーカーバトル(GT500クラス)が展開された。
とは言ったものの、正直なところ今季のホンダ『NSX』は苦しかった。車両レギュレーション的に不利を被ったことが最たる不振理由で、ウエットコンディションの間隙を突いて勝った第5戦もてぎの1勝(ロッテラー&松田次生)のみ。来季への戦力再建が急務となった。今季採用したターボを今後どうするのかにも注目が集まる。
日産は『GT-R』に代わり『Z』を投入。その素性の良さから、デビューシーズンながら高い下馬評を得ていたZは、開幕戦TIを本山&ライアンが制す。その後の2戦では『スープラ』に敗れるものの、第4戦十勝では影山正美&ミハエル・クルムがZ勢の2勝目をマーク。
一方のトヨタ・スープラ軍団は、立川と荒聖治(今季のルマン24時間耐久総合優勝者)のコンビが第2戦SUGOを、ジェレミー・デュフォア&アンドレ・クートが第3戦セパンを勝つ。エースチームともいうべき脇阪寿一&飯田章は勝ち星に恵まれないながらも、タイトル戦線で主役を張る。
これらブリヂストン勢以外のタイヤを履くスープラの活躍も今季は目覚ましく、ヨコハマの織戸学&ドミニク・シュワガーがSUGOで、ダンロップの服部尚貴&脇阪薫一がセパンで、それぞれ2位表彰台を獲得している。
そして、勝ち星2勝2敗1分で迎えた第6戦オートポリスが、トヨタ対日産の命運を握る一戦となった。このレースを制した本山組Zがタイトルに大きく前進し、トヨタ同士のバトルでの接触に泣いた寿一組スープラは大きく後退、明暗をわけた。デュフォア組スープラを含めた3台に可能性が残るが、本山組圧倒的優位で最終戦を迎えることに。
最終戦鈴鹿、ウエイトハンデ的に厳しい状況の3強は上位進出ならず、本山&ライアンが逃げきってドライバーズ王座を獲得した。本山は連覇達成、ライアンはFニッポンとの二冠達成である。最終戦の優勝は井出&トレルイエ組のZで、日産は全7戦中の4戦を制した(チームタイトルは、本山組と影山組を擁するニスモが第6戦で決定済)。
●フォーミュラ・ニッポン
●全日本GT選手権、GT500クラス
●全日本GT選手権、GT300クラス
●全日本F3選手権